US Navy Seabee Museum (米海軍設営隊博物館)

太平洋戦争中、米軍は太平洋の島々に次々と上陸し、日本軍との戦いを続けながらも、同時に日本軍が使用していた飛行場を制圧し、飛行場の整備や道路の建設を担い、その後の重要な米軍戦略基地としての基礎を作りました。戦時中の各地の米軍基地はどのような建設過程を経ていたのか、戦後はそうした基地はどのように利用されたのかといったことを探っていくには、それらの建設作業を担った海軍設営隊の資料を読んでいかなくてはなりません。

 

しかしながら、そうした海軍設営隊の資料は残念ながら、第2次世界大戦関係だけでも膨大な資料を誇る、メリーランド州カレッジパークの米国国立公文書館にはほとんど存在していません。それらのまとまった資料を見るには、カリフォルニア州のポート・ヒューニーメ市にある米海軍設営隊博物館兼資料館(US Navy Seabee Museum)まで行くことが必要です。このシービー(Seabee)とは、設営隊(Construction Battalion)の省略であるCBからきていますが、同時に蜂(Bee)のように働きものであるが故に海の蜂(Seabee)と言われるようになりました。

This photograph was taken by the author on February 6, 2012.
This photograph was taken by the author on February 6, 2012.

この博物館及び資料館は、海軍設営隊基地に隣接しており、ロサンジェルス国際空港から車で約1時間半北上したところにあります。博物館館内は開館している限りいつでも自由に入ることができますが、資料の閲覧はアーキビストと事前に予約を取らないと閲覧ができないことになっています。

 

真珠湾攻撃翌年の1942年、カリフォルニアのこの地に海軍設営隊基地が建設され、太平洋戦争中の膨大かつ様々な軍事機器や物資を太平洋各地に輸送することにおいて中心的な役割を果たしました。また、“俺たちは建設し、戦う”(We Build, We Fight)をモットーとし、この設営隊は太平洋各地の戦闘をになった上陸主力部隊とともに上陸し、激しい戦闘の中で彼らも多くの犠牲を出しながらも飛行場他米軍施設建設を必死に行ないました。

 

設営隊の調査を行なう場合、下記の公式サイトが参考になると思います。http://www.history.navy.mil/museums/seabee_museum.htm

 

このサイトの中には各旅団(Brigade)、連隊(Regiment)、大隊(Battalion) の各部隊の概要がそれぞれ掲載されており、こうした各部隊の情報も実際に調査に行く前に目を通しておくとよいと思います。また、アーキビストに連絡をすれば、各部隊の資料に関する目録(ファインデングエイド)を送ってくれるようになっています。

 

今年は発足70周年ということでスライドや写真を載せている海軍設営隊の公式サイトの内容が充実しており、参考になります。http://www.seabee.navy.mil/ (YN)