琉球切手(沖縄切手)

皆さんは琉球切手という切手をご存知でしょうか?昔の沖縄の切手…と、私は単純に思いましたが、実は、沖縄切手と呼ばれることもあるこの切手は、1945年(昭和20年)から1972年(昭和47年)の本土復帰までの27年間、アメリカ軍統治下にあった沖縄でのみ使用されていた郵便切手なのです。

 

琉球切手の特徴として、日本語で『琉球郵便』と印刷されているのですが、額面はアメリカ通貨である$(ドル)や¢(セント)が使われています。他に、漢字やカタカナ、アルファベットで切手の説明書きがされている種類の切手もあります。また、題材には沖縄の伝統芸能や民族行事、工芸品、亜熱帯の動植物など沖縄の自然、歴史、文化などを表現した絵柄が幅広く取り上げられた色鮮やかな切手なのです。

 

今回は、ここ米国公文書館2階にある資料の中から琉球切手の展示風景、はがき、綺麗な絵柄が印象に残る切手のほんの一部をご紹介したいと思います。

 


RG550 Entry : UD-WW 401-373 Box5 General Records Relating to Medical, personnel and Publication Activities [Department of the Army USARYIS 69-73, Acc #75-1575 Headquarters, US Army, Ryukyu Islands, US Army Base Command, Okinawa US Army Medical Center, Okinawa] 1969-1973  227-04 Letter to the editor (72) ;National Archives at College Park, MD.

 

上の切手は、1971,72年に使用され、封筒に貼られ残されていた一部です。資料集にあった多くの切手は使用されたもので、切手部分だけ切り取られています。不思議に思い調べてみると、1970年代前後の日本では切手収集ブームに沸いており、琉球切手もその例外ではなかったようです。ある出版社の編集部宛てには、読者から琉球切手の使用済み切手を譲り受けたい旨のハガキもあり、当時の過熱ぶりが少し垣間見られたように思いました。

 

下の冊子は、45年に設立した国際連合の設立20周年記念切手を紹介しています。

 


RG319 Entry: A1-1678 Box1 Records of the Army Staff Civil Affairs General Administration & Planning files Relating to the Ryukyu Islands, 1959-1968   Ryukyuan Philately, 1965-1966  ; National Archives at College Park, MD.

 

 

 

 

左の年賀はがきは1966年、丙午の年のものです。ホチキスの跡はあるものの未使用で状態も良く保存されていました。

 

 

 

 

RG319 Entry: A1-1678 Box1 Records of the Army Staff Civil Affairs General Administration & Planning files Relating to the Ryukyu Islands, 1959-1968   Ryukyuan Philately, 1965-1966  ; National Archives at College Park, MD.

 

こちらは、琉球政府の第4代行政主席であった松岡政保宛に送られた、切手展示会企画団体からの招待状と、1966年にアメリカのワシントンDCで開催されたインターナショナル切手展示会の様子です。琉球切手と沖縄の写真も含めて紹介してる様子が分かります。また、琉球切手の事は載っていませんが、参考までにこの時の事が載ったサイトを見つけましたのでご覧ください。

→  http://www.ny2016.org/images/history/06_1966sipex.pdf

 


RG319 Entry: A1-1678 Box1 Records of the Army Staff Civil Affairs General Administration & Planning files Relating to the Ryukyu Islands, 1959-1968   Ryukyuan Philately, 1965-1966  ; National Archives at College Park, MD.

 

今回の資料を通して、琉球切手の貴重さはもちろんの事、沖縄の美しさや誇りを改めて感じました。(TI)