米国国立公文書館の米陸軍通信局長室記録群の写真資料(RG111SC: The Office of the Chief Signal Officer)の目録カードについて

米国国立公文書館の5階にある写真資料のうち、米陸軍通信局長室記録群(RG111: The Office of the Chief Signal Officer)の写真シリーズであるRG111SCの目録カードは昨年デジタル化され、今年から米国国立公文書館のサイトから検索できるようになりました。今回はこのことについてお知らせしたいと思います。

 

米国国立公文書館のサイト上では、111-SCXとして、”Shelflist to U.S. Army Signal Corps Black-and-White Photographs (111-SC), ca. 1900–ca. 1982” となり、その中で検索することが可能です。もちろんありとあらゆる言葉を入れて検索できるかといえば、そうではない場合もあるので、どのような言葉で検索できるかをいろいろ試してみないといけないと思います。が、少なくとも、このRG111SCの写真を調査するときに、これまでは、かなり原始的な手法である、引き出しの目録カードを見てみるところから始めるか、またはRG111SCのシリーズを、国名別、さらには地域別、また米軍基地別などのサブジェクトでまとまっていたアルバム(RG111SCA)といったものから見てみるといった方法しかなかったので、そこから考えれば、RG111SCの目録カードをサイト上で見ることができることはかなり手間が省けることになると思いました。

 

 

上記のサイト上には、部分的にオンラインになっているといった表示が出ていますが、米国国立公文書館の職員と確認したところ、このRG111SCの写真シリーズの目録カードはすべてデジタルになっているということでした。

 

上記の画面の左下にある、“Seach within this Series”をクリックすると、以下のような画面が出てきます。

 

その画面の中のサブジェクトを入れる部分に、自分が探したいトピック(サブジェクト)を入れます。この時に、自分が探したいトピックを入れても検索機能が働くかどうかはわからないところがあります。あまり言葉が長いと検索機能が動かないので、できるだけ短いほうがよいかもしれません。例えば、日本の要保護児童(“Japanese orphans”)という言葉を入れてみると、以下のような画面が出てきます。

 

すると、17個のグループのリストが出てきます。例として、それらのうちの一番上のグループをクリックすると、以下の画面が出てきます。

 

上記の画面の右よりに、Image #520、#521、といった番号が出てきています。これは、RG111SCの写真番号No.223000からNo.223999までのグループの全1015枚の括りの中において、520番目と521番目の目録カードに、関連する写真があるということを意味しています。画面上のImage #520と#521をクリックすると、それらの情報が出てきます。

 

上記の情報から、写真番号のNo. 223509 とNo. 223510が出てきましたので、それらの番号をもとに、5階にある、このRG111SCのファインディング・エイド・ファイルからBox333という箱番号を割り出し、その箱を請求して、これらの写真にたどり着くことになります。

 

  RG111SC Box 333 No. 223509表 


  RG111SC Box 333 No. 223510表 

  RG111SC Box 333 No. 223510裏 


これらの写真は、1945年12月7日に行われたバザー(戦後まもなくの要保護児童をサポートするための資金集めと思われるイベント)において、そうした子ども達をあやしている米陸軍属の看護婦たちの様子を撮影したものです。写真の裏にあるキャプションは、すでに文字が薄くなっており、スキャンの編集機能で濃くすることもできますが、完全に文字が消えている場合もありますので、目録カードそのものをこの米国国立公文書館のサイトで確認したりダウンロードできる事も調査の上では非常に助かります。また、写真のキャプションが目録カードの情報よりも簡単になっている場合もあるので、目録カード情報を確認することはあらためて重要であると思います。

 

 上記は、”日本の要保護児童“(Japanese orphans”で検索をしたのですが、”日本の中の要保護児童“(Orphans in Japan)で検索するとあらたな写真が出てきます。まずは最初の検索画面で、”Orphans in Japan”と入れると、3つのグループが出てきます。

 

 

例えばその中の2番目のグループをクリックすると、以下の画面がでてきます。

 

その画面の右寄りのImage #625をさらにクリックすると、関連する写真情報が以下のように出てきます。

 

1952年12月12日の、大磯にあった、エリザベス・サンダース・ホームという混血児達を育てる施設を代表する澤田美喜に、極東軍司令官の妻が冷蔵庫を寄付したという写真です。

 

この澤田美喜は、三菱の創始者の岩崎弥太郎の孫であり、財閥の令嬢として、外交官の澤田 廉三と結婚しました。1948年に彼女は、日本人女性と連合軍兵士との間にできたたものの両親や周囲からも見放された混血児達ための養護施設を作りました。

 

 RG111SC Box 885 No. 414589 表  

 RG111SC Box 885 No. 414589 裏 


米国国立公文書館のサイトから、自分が調べたいトピックについて、情報を漏れなく出し、かつ、画像もすべてサイト上で出てくるようになれば、非常に便利なことになりますが、一方で、いろいろな媒体にわたる膨大な資料を持つ米国国立公文書館のサービスはそうしたところまで到達することは、なかなか可能にはなりません。が、私が20年前にこの機関に出入りをすようになり、資料調査を手掛けたころと比べれば、デジタル化は確実に進んでいると実感します。RG111SCの米陸軍の通信部の写真画像のすべてがデジタル化されてオンライン上ですべて見ることが理想かもしれませんが、まずは、それらの写真の目録カードがデジタル化され、オンライン上で検索できることは、便利であると思いますので、どんどん利用していただければよいと思っています。(YNM)