コロラド州デンバーでの滞在

2008年のジョージア州アトランタで行われたアジア学会から、ニチマイ米国事務所として参加を開始し、今年で参加11年目を迎えました。参加開始当時から数年間はニチマイ米国事務所としてブースを出していましたが、その後は、私達米国スタッフが、アジア学会の研究動向を私達の日々の仕事により役立てていくためにセッションに参加することになっていきました。私達は、いわゆるアカデミック分野の立場ではなく、あくまで歴史資料の資料調査や収集を扱う民間会社の立場ですが、毎日、メリーランド州の米国国立資料館(National Archives Records and Administration: NARA) で原資料を見ておりますので、そうした歴史資料がどのようなテーマで使われているのか、分析されているのかといった動向をきちんと把握することは非常に重要なことであると思っています。

 

アジア学会会議のサイトはこちらになります。https://www.eventscribe.com/2019/AAS/ そのサイトからどのようなセッションや個別発表が行われたかの情報を見ることができます。歴史学、政治学、文学、国際関係学、語学、文化比較学他いろいろな分野の研究者や専門家または活動家によるセッションは数にして約400あり、地域別でみるなら、中国及びアジア内部、日本、韓国、南アジア、東南アジアの括りがあり、多彩な各セッションの概要がわかるようになっています。私は、日本の政治や国際関係、北海道の歴史、戦前の日露関係、戦中の子どもたちなどをテーマにしたセッションに出てみましたが非常に興味深い内容でとても勉強になりました。ご参考までに昨年2018年までの会議内容はこちらのサイトをご参考ください。http://www.asian-studies.org/Conferences/AAS-Annual-Conference/Conference-Menu/-Home/Past-Conferences

 

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杉原千畝

少し前の話になるのですが、3月にフィラデルフィアで開催されたアジア学会(Association for Asian Studies)に参加する機会がありました。アジア学会とはアジア全般に関して研究する学会の為、研究テーマは幅広くとても興味深い物でした。その中で今回はドキュメンタリーフィルムで印象に残った杉原千畝の話をしようと思います。

 

杉原千畝は1939年から1940年にかけてリトアニアのカウナスにある日本領事館に勤務し、約6,000人のユダヤ避難民に亡命するための通過ビザを発行した外交官です。日本でもドラマや特集で組まれた事があるので、ご存知の方も多いと思います。

 

ドキュメンタリーフィルムは、現在残り少なくなってきたポーランド系ユダヤ人の生き残りの証言者とユダヤ避難民達が降り立った敦賀市の住民の証言と合わせながら、杉原千畝の足跡をたどっていくというものでした。ナチスに迫害されたユダヤ避難民がシベリアを越え、ウラジオストックから船で敦賀市に着き、神戸からブラジルやオランダ、アメリカへと亡命していったそうです。そして、千畝氏はこの事を口外せず、彼の死後に妻が「命のビザ」という本を出版し世間に知られていったようです。

 

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2014年 アジア学会(フィラデルフィア大会)に参加して

今年のアジア学会(Association for Asian Studies)は、3月27日から3月30日までの日程でペンシルバニア州のフィラデルフィアで開かれました。

 

フィラデルフィアは歴史がある街で、一時はアメリカ合衆国の首都でもありました。 今でも全米では大都市の一つですが、規模は小さく落ち着いた所です。 1993年にトム・ハンクスとデンゼル・ワシントンが共演した「フィラデルフィア」という映画を思い起こす方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

アメリカは日本と比べると、歴史的な名所・旧跡が少ないのですが、ここフィラデルフィアは名所・旧跡に触れる機会が多い場所です。 「自由の鐘」(Liberty Bell)という鐘もその一つです。

 

この鐘はイギリスで作られ、1752年にフィラデルフィアに届けられました。 しかし、最初の鐘はたった一回鳴らしただけで、ひびが入ってしまいました。2度、3度と製造を繰り返し3度目で満足のいく鐘ができたそうです。 この鐘はアメリカの歴史の節目ごとに鳴らされていました。 大きなひびが入っていますが、これが「自由の鐘」の大きな特徴です。 東京・千代田区の日比谷公園にもこのLiberty Bellのレプリカの「自由の鐘」があるそうです。

 

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ミッドウェイ博物館

3月21日~24日にかけて、アジア学会(Association for Asian Studies)がカリフォルニア州サンディエゴで開催されました。

アジア学会はアジアに関する社会問題や歴史、芸術など多岐に渡ったテーマについて、400件近いセッションを行います。ここ数年ニチマイもアジア学会にブースを出し、出版物や業務内容について紹介をしています。

また、セッションに参加し、仕事に関する知識を深めるとともに、今後の研究の方向性やテーマなどに関しての情報収集が出来ました。大変有意義な学会参加でした。

 

アメリカ西海岸にあるサンディエゴは、私が住んでいるアメリカ東海岸と違い、気候も暖かく、ヤシの木がまっすぐ並ぶ美しい街並みです。また、サンディエゴは米軍の海軍基地になっており、サンディエゴ港には沢山の空母艦や軍艦が停泊しています。

その中で特に目を引くのは、巨大な空母艦ミッドウェイです。ミッドウェイは1945年に就役し、1965年にはベトナム戦争に参戦、1980年代には横須賀基地を母港として湾岸戦争にも参戦しました。1992年に老朽化のため退役が決定し、その後は空母博物館として生まれ変わり、サンディエゴで一般公開されています。全長は296mもあり、近くからではカメラに収まりきらない程の大きさです。

 

 

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