サンフランシスコ公文書館

米国国立公文書館(National Archives and Records Administration、NARA) の施設はワシントンDCにある本館をはじめとし、地域文書館やレコードセンターなど、アメリカ各地に30箇所以上あります。NARAが保存する資料はARC(Archival Research Catalog)でオンライン検索が出来るようになっています。キーワードを入れると、そのキーワードに関係した資料の情報が出てきます。通常私たちはアーカイブスⅡとも呼ばれ莫大な資料を保存しているカレッジパークの公文書館で調査をしています。しかし、調査内容によっては他の公文書館などにも行く必要が出てきます。

 

今回は初めてサンフランシスコ郊外のサンブルーノにある公文書館に行ってきました。下記のウェブサイトがサンフランシスコ公文書館の情報になります。

http://www.archives.gov/san-francisco/

 

This photograph was taken by the author on January 7, 2013 

サンフランシスコ公文書館

 


サンフランシスコ公文書館には北・中央カリフォルニアやネバダ州、ハワイ、米サモア、グアム、元太平洋諸島信託統治領から集められた1850年ごろから1980年代までの資料があります。具体的な数量は分かりませんが沖縄の海軍関係の資料もあるようです。移民関係資料が豊富で、職員にお話を聞くと特に中国人移民に関しての資料が多いそうです。日本人“Picture Bride”の写真もあるとの事でした。

 

ここにはアルカトラズの資料もあるそうです。アルカトラズといえば、有名なギャング、アル・カポネなどが入っていた連邦刑務所。極悪人ばかりで、監視の厳しい刑務所であるというイメージがありますが、独房でおまけに食事は良かったとのこと。意外なことにここの刑務所の居心地は他の刑務所と比べると悪くはなかったようです。他の刑務所で脱獄をしたり、問題を起こした場合はこのアルカトラズ島に送られたようですが、必ずしもそうでない人もいたようです。

 

Plan for the Modernization of Alcatraz Prison Cell Block D, 1940 [Architectural and Engineering Drawings]; Records of the Public Buildings Service, Record Group 121: National Archives at College Park, College Park, MD [online version available through the Archival Research Catalog (ARC identifier 596298) at www.archives.gov: January 22, 2013 アルカトラズ刑務所の独房棟プラン

 


初めて知ったのですが、アルカトラズでの受刑者の中には日系人もいたそうです。彼はカリフォルニア生まれの日系2世で、日本の大学へ留学している時に太平洋戦争が始まりました。そのため米国に帰れず、戦争中は日本側の連合軍捕虜収容所で通訳をしていました。戦後米国へ帰った彼は、戦争中の行いについて国家反逆罪で捕まり、アルカトラズに送られたようです。どういった経緯でこのようになったのか、もう少し彼の情報について知りたくARCで検索をすると、どうやらカレッジパークに資料があるようです。今度、時間のあるときにこの資料を見てみようと思っています。

(NM)