Righting a Wrong: Japanese Americans and WWII展

毎年5月はアジア・太平洋諸島系米国人の文化遺産継承月間となっている為、スミソニアン博物館を始め、色々なところで展示やイベントが開催されています。

 

アジア・太平洋諸島系米国人の文化遺産継承月間の歴史は、アメリカンセンターJapanのサイトによれば、上下両院で可決した法案を1978年10月5日にジミー カーター大統領がアジア・太平洋諸島系米国人の文化遺産週間として承認したことが始まりとなっています。1990年にはブッシュ大統領が月間に延長し、現在まで続いています。なぜ5月なのかというと、1843年5月7日に初めて日本人移民が米国に到着した事と1869年5月10日に大陸横断鉄道が完成した事を記念して選ばれたからのようです。(参照:https://americancenterjapan.com/aboutusa/monthly-topics/1949/

 

今回はスミソニアン博物館の内の一つ、国立アメリカ歴史博物館で開催中の”Righting a Wrong: Japanese Americans and World War II”展を見学に行く機会があったので、一部を紹介しようと思います。

 

このガラスケースに入っている小さなスーツケースはワタナベ一家がアイダホの収容所に持っていった持ち物の1つです。下の写真は収容所へ向かうバスを待っているモチダ一家の写真です。ここが展示の入り口になります。

まず、移民の歴史から始まり、真珠湾攻撃、太平洋戦争開戦と続きます。

 


(左)1941年12月7日の真珠湾への奇襲攻撃を伝えるホノルルスターブルテン新聞と真珠湾攻撃当日に書かれたハワイ在住日系人下村とくさんの日記です。

(右)大統領令9066号の発令後、ハワイや西海岸に住む日系人に対する強制立ち退きや強制収容所への収容が始まった様子です。

 

強制収容所内での生活の様子や写真なども展示してあります。収容所の敷地内では野球が一番人気のスポーツだったようです。他にも手作りのコサージュや木を彫って作ったブローチ、ニットなども展示してありました。

 

太平洋戦争では3万人以上の日系アメリカ人が軍に従軍、第442連隊戦闘団、第100歩兵大隊、陸軍情報部のいずれかに配属されたそうです。この他にも第442連隊が当時着用していた制服や無事を祈って縫った千人針なども展示してありました。この展示を回って、改めて日系移民や日系アメリカ人がいかに差別や偏見の中、耐えて生き抜いてきたのか、また、根本にある日本人の芯の強さ、また太平洋戦争中の収容所内での生活の様子やアメリカ人として祖国に従事する歴史なども垣間見ることができてよかったと思います。

 

この他にも写真や大統領令9066号の文書、手紙、日記などが展示してありましたが、その中には国立公文書記録管理局(NARA)から貸し出された物もたくさんありました。

 

もっとこの展示に興味が湧いた方は国立アメリカ歴史博物館のウェブサイトを訪問してみて下さい。 

http://americanhistory.si.edu/righting-wrong-japanese-americans-and-world-war-ii 

 

Right a Wrong: Japanese Americans and World War II展はこの博物館で来年の2月まで開催となっているようです。 5月のアジア・太平洋諸島系米国人の文化遺産継承月間以外にも、2月の黒人歴史月間や3月の女性史月間などもあるので、この期間はスミソニアン博物館や議会図書館他色々な所でイベントや展示などが開催されていると思います。ワシントンDCに滞在する機会のある方はぜひ参加、訪問してみてはいかがでしょか?(SW)